◆地球(宇宙船ドック)
(船から降りてくるクロード)
クロード「地球…か・・・。」
クロード「とうとう戻って来れたんだ・・・。」
クロード「みんなは元気でやっているかな・・・。」
(前方を見て何かを見つける)
クロード「母さん!!」
(桟橋をかけてゆく)
◆宇宙船の中 友:クロード=レナ
(カルナスの様な大きな船のブリッジ。艦長席にはクロードが座っている)
オペレーター「艦長! もうすぐ、惑星マデリートの周回軌道に到着します。」
クロード「分かった。それじゃあ、惑星上をスキャンしてみてくれ。」
オペレーター「了解!」
レナ「今度の星は、どんな所なのかしらね?」
クロード「さあ?それはわからないな。とりあえず、充分な量の水があればいいんだけどね。」
レナ「そうね。ここで調達することが出来なかったら、地球まで補給に戻らないといけないからね。」
クロード「でもまあ、それならそれでいいんじゃないかな。もう一年近くも、先進惑星には戻っていないんだから。」
オペレーター「スキャン終了しました。惑星のクラスはM。
オペレーター「生命体は存在していますが、ヒューマノイドタイプの知的生命体は発見できません。」
オペレーター「大気の成分はEタイプで、充分呼吸可能です。また、充分な量の鉱物資源と水の存在を確認しました。」
レナ「どうやら地球に帰るのは、まだまだ先になりそうね。」
クロード「そうみたいだね。こうなったら、宇宙の果てまで行ってみるとするか。」
◆地球 友:クロード>レナ
レナ「ねえ、クロード。今度は、いつ帰ってこれるの?
クロード「そうだな・・・ セクターβでの軍事演習だから、半年くらいかかるかな?」
レナ「そうなんだ・・・。気を付けてね。」
クロード「ごめんな。いつもいつも、一人にしてしまって。」
レナ「ううん、いいのよ。だって、それがあなたのお仕事なんですもの。
レナ「それに、大丈夫よ。もう私は一人じゃないから。」
クロード「えっ!?」
レナ「もう、鈍いんだから。半年後には、お父さんになるっていうのに・・・。」
◆アーリア 友:クロード<レナ
(小川の側にいるクロードのそばにレナが駆けてくる)
レナ「おはよう。クロード。もうアーリアでの生活には慣れた?」
クロード「まあまあかな。まだ時々、地球にいた頃のクセがでたりはするけどね。」
レナ「ねえ、クロード。本当に地球に帰らなくてよかったの? 後悔してるんじゃない?」
クロード「後悔なんかしていないさ。だって、僕が自分の意思で決めた事なんだから。」
◆山岳宮殿
(何かを捜しているクロード。傍らで見ているセリーヌ)
(“紙屑”を手に入れた)
セリーヌ「どうも、今回はハズレのようですわね。」
クロード「あれだけ苦労して、お宝らしいお宝もナシか・・・。」
セリーヌ「仕方がありませんわよ。トレジャーハントというものは、そういうものなんですから。」
クロード「それにしたって、もう少しくらい・・・。」
(奥からリザード系のモンスターが出てくる)
セリーヌ「モンスターですの?」
セリーヌ「ちょうどよろしいですわ。ストレスを解消させて貰いませんこと?」
クロード「そうだな。ハデに暴れるとしようか。」
◆山岳宮殿
(クロードを先頭に通路を歩く二人。アシュトン立ち止まる。)
アシュトン「ねえ、クロード、本当に、こんな所にあるのかな?」
クロード「さあ?でも、とりあえず行ってみるしかないだろう?」
アシュトン「でも、もう一年近くも探してるんだよ。これだけ探しても見つからないんだから、きっともうダメなんだよ。」
ギョロ「フギャギャ。」 ウルルン「フギャ。」
クロード「なに弱気になってるんだよ。一年探して見つからなかったら二年…
クロード「それでも見つからなかったら三年探せばいいだろう。
クロード「何なら五年かかったって、十年かかったって構わないさ。」
アシュトン「クロード・・・。」
クロード「大丈夫だよ。きっとどこかに、アシュトンの呪いを解く方法があるって。ギョロ達も一緒に助かる方法がね。」
アシュトン「うん。そうだね・・・。」
クロード「さあ、行くよ。」
(二人は奥へと進んでいく)
◆テトラジェネス(オペラ邸) 友:クロード>オペラ
(窓際に佇むクロードにオペラが近づく)
オペラ「どうしたの、クロード?」
クロード「少し考え事をしていたんだ。」
オペラ「あの時の冒険のこと?」
オペラ「そうね。みんな、元気でやっているかしら・・・。」
オペラ「ねえ、クロード。今度、みんなに会いに行ってみない?」
クロード「そうだな。そうしようか。」
(クロードに寄り添うオペラ)
オペラ「でも今日は、キチンと社交パーティーに出席してもらいますからね。」
クロード「勘弁してくれよ。どうも、正装ってやつは苦手なんだよ。」
オペラ「ダメよ。テトラジェネスの名門。ベクトラ家の次期当主として、それなりの格好はして貰わないとね。」
◆地球 友:クロード<オペラ
(椅子に座っているクロードに歩きよるオペラ)
オペラ「どうしたの、クロード?」
クロード「少し考え事をしていたんだ。」
オペラ「あの時の冒険の事?」
(オペラ、クロードの横に座る)
オペラ「あれから、ずいぶんと経ったものね。みんな元気でやっているかしら・・・。」
オペラ「ねえ、クロード。今度、みんなに会いに行ってみない?」
クロード「そうだな。そうしようか。」
(クロードにべったり寄るオペラ)
オペラ「でも…久しぶりに宇宙から帰ってきたんだから、今日くらいは、私の相手をして貰いますからねゥ」
◆エル大陸の海岸
(クロードがスティング系のモンスターを退治)
クロード「さすがにまだ、この辺りには人を襲うモンスターがずいぶん残っていますね。」
ボーマン「ああ。エル王国の復興には、思っていたよりも手間取りそうだな。」
クロード「でも、まあ・・・、これで、この辺りのモンスターは、だいたい退治したと思うんですけどね。」
ボーマン「しかし、クロード。お前さん、自分の星に帰らなくて本当によかったのか?」
クロード「いいんですよ。ここには、僕を必要としてくれる人がいる。
クロード「だからこそ、エクスペルに残ることにしたんですから。」
ボーマン「そうか・・・。」
◆宇宙船の中 友:クロード>プリシス
(カルナスの様な大きな船のブリッジ。艦長席にはカーツマンらしき人物)
クロード「しかし…まさか、たったの三年で地球の工学技術を全てマスターするとはね。
クロード「プリシスがいなければ、エクスペルの地球連邦入りには、あと100年はかかっただろうな。」
プリシス「そ〜かなぁ? それはちょっと、ホメすぎじゃない?」
クロード「そうでもないさ。何と言っても、
クロード「プリシスが銀河系一の栄誉であるエクレシア工学賞を受賞したことが大きかったよ。」
プリシス「でも、それはあたし一人の力じゃないよ。クロードが色々と手助けをしてくれたから、取れたんじゃん。」
クロード「そんなに大したことはしてないよ。」
プリシス「そんなコトないよ。クロードがいたからこそ、あたしは頑張れたんだよ。」
艦長「プリシス博士。クロード大佐。あと一時間ほどでエクスペルに到着するから、下船の準備をしておきなさい。」
クロード「そうですか。分かりました。」
プリシス「エクスペルに帰るのも三年ぶりかぁ。」
プリシス「これからもよろしくね。エクスペル星駐在大使、クロード・C・ケニー大佐。」
クロード「こちらこそ、よろしく。プリシス・F・ノイマン博士。」
◆リンガ(プリシス家のラボ) 友:クロード<プリシス
(忙しそうに機械をいじっているプリシス)
クロード「お〜い、プリシス。お茶が入ったぞ〜っ。」
(クロードが奥から出てくる)
プリシス「さんきゅ〜、クロード。ちょっとまってて、すぐ終わるからさ。
(クロード奥へと帰る)
プリシス「あっ!」
(マシンが爆発する)
(クロード急いで駆け寄る)
クロード「お、おい、プリシス・・・。」
(プリシス立ち上がる)
プリシス「てへへ。またやっちゃった。」
クロード「まったく、もう! あんまり心配させないでくれよ。」
プリシス「ゴメンね。クロード。」
◆地球
(椅子に座っているレオンに歩きよるクロード)
クロード「何をしているんだ、レオン?」
レオン「ちょっとね。考え事をしていたんだ。」
クロード「考え事?」
レオン「うん。あの冒険のことを思い出していたんだ。」
クロード「そうか…あの時は、ずいぶんといろんな事があったものな。」
(しゃべりながらレオンの向かいの席に座る)
レオン「そうだね、本当に。」
クロード「なあ、レオン。そろそろ、エクスペルに帰るか?」
レオン「どうしたの、いきなり?」
クロード「いや…エクスペルでの暮らしが、懐かしくなったんじゃないかと思ってさ。」
レオン「そんなんじゃないよ。そりゃあ、時々は寂しくもなったりするけど、まだボクは、帰ろうとは思わないよ。
レオン「だってボクには、まだまだ知りたい事がいっぱいあるんだからさ。」
◆リンガの聖地
(二人でチンケ系のモンスター二匹を一撃で倒す。奥には子供がいる)
(子供が近寄ってくる)
クロード「ソーサリーグローブの騒ぎは収まったものの、争い事は全然なくならないな。」
ディアス「仕方がない。それが現実だからな。」
クロード「この子を町に連れて帰れば、今回の依頼は終了か。」
クロード「なあ、ディアス。この仕事が終わったら、次はどこに行くつもりなんだ?」
(ディアス2〜3歩帰り道へと歩き出す)
ディアス「さあな?足の向くまま、旅を続けてみるだけだ・・・。」
(ディアス帰り出す)
クロード「足の向くまま…か。」
◆宇宙船の中
(カルナスの様な大きな船のブリッジ。艦長席にはクロードが座っている)
オペレーター「艦長! もうすぐ、惑星マデリートの周回軌道に到着します。」
クロード「よし、分かった。すぐに、惑星上をスキャンしてみてくれ。」
オペレーター「了解!」
オペレーター「Mクラスの惑星です。生命体は存在していますが、ヒューマノイドタイプの知的生命体は発見できません。」
オペレーター「また、大気のタイプはEタイプで呼吸可能です。充分な量の鉱物資源と水の存在を確認しました。」
エルネスト「他になにか変わったところは?」
オペレーター「特に何も。少なくとも、人工建造物の類は存在しないようです。」
エルネスト「そうか・・・。」
クロード「よし、スキャンしたデーターは宇宙地図に追加しておいてくれ。異常なしということでいいだろう。」
仕官「クロード艦長。これで、今回の任務は終了ですね。」
クロード「そうだな。」
クロード「セクターλにおける、未開惑星調査の任務はこれにて終了。
クロード「これより本艦は、地球に向けてワープ航法に移る。」
◆神護の森
(野生動物と戯れるノエル。そこへクロード登場)
クロード「動物の研究ですか? あいかわらず、精が出ますね。」
ノエル「やあ、クロードさんですか。」
クロード「でも、ノエルさん。野生動物とこんなに親しくなって、大丈夫なんですか?
クロード「こういうのって、本当はマズイんでしょう?」
ノエル「そうですね。本当はいけない事なんですけどね…
ノエル「でも、親を亡くしたこの子たちを、どうしても放っておくことが出来なかったんですよ。」
ノエル「それにこの子たちも、僕のことを慕ってくれているようですし・・・。」
(パンサー系のモンスターと見える動物がノエルに近づく)
クロード「ノエルさんっ!?」
(ノエルにじゃれつく)
ノエル「ははは、平気ですよ。これが、この子なりの愛情表現なんですから。」
クロード「でも…血が出てますよ・・・。」
ノエル「へっ・・・。」
ノエル「あいたたたたっ!! 襲われる! 本気で怒ってますよ〜っ!」
クロード「だ、大丈夫ですか、ノエルさん?」
ノエル「は、早く! 早く追い払って下さいっ!」
◆宇宙船の中 友:クロード>チサト
(カルナスの様な大きな船のブリッジ。艦長席にはクロードが座っている)
チサト「次はセクターδの衛星。ヴォルテックスの調査ね。」
クロード「大気のタイプはF。ヘリウム濃度は多少濃いが、呼吸は可能だ。
クロード「ヒューマノイドタイプの知的生命体は確認されてないけど、存在の可能性がないわけじゃない。」
チサト「それじゃあ、さっそく調査に向かいましょうよ。」
クロード「よし。これより本艦はワープ航法に移る。総員、対ショック用意!」
チサト「まだまだ宇宙には、誰も知らない未知の世界が広がっているわ。まだ見ぬ彼方へ、Let's
go!」
◆宇宙船の中 友:クロード<チサト
(艦長席にはクロード。その脇にはチサトがいる)
チサト「もう、そろそろね。パンドル宙域では、レゾニア軍との戦闘が行われているんでしょ?」
クロード「ああ。大した意味のない遭遇戦に過ぎないけど、危機に陥っている友軍を見捨てるわけにも行かないからね。」
チサト「なんで、戦争なんて起こるのかしら。争いは、何も生み出さないのに。」
クロード「地球連邦にもレゾニアにも、お互いに立場がある。理想通りに行かないことくらいは、分かっているだろう?」
チサト「それはそうだけど・・・。」
クロード「夢のような事を言っていても仕方がないよ。僕にできることは、連邦の人々を守って戦うだけさ。」
チサト「でも…私は、そんな夢物語を追いかけるために戦場に来たのよ。
チサト「みんなに戦争の悲惨さを訴えて、この馬鹿げた戦いを終わらせるためにね。」
クロード「向こうは、報道のカメラマンだからって見逃してはくれないぞ。下手をすれば死んでしまう可能性だってある・・・。」
チサト「それくらいで、この私が引き下がるわけないでしょう。私は仕事に命をかけてるんだからね。」
クロード「そうだったね。頑張って、早く争いのない世界にしてくれよ。」
チサト「任せといて。」
◆アーリア
ウェスタ「それじゃあ、行って来るわね。」
(レナの家からウェスタがでてくる)
レナ「ちょっと待って!」
(レナも出てくる)
ウェスタ「何か用?レナ。」
レナ「何か用じゃないの! 昨日もおとといも行ったじゃない・・・。」
ウェスタ「でも、あそこにいるとなんだかすごく落ち着くのよね。」
ウェスタ「ダメかしら・・・。」
レナ「ダメよ。いくら平和になったからって・・・。
レナ「だいたい、そんなことじゃね・・・。」
(無視して歩いていくウェスタ)
ウェスタ「後はよろしくね。」
レナ「あ、ちょっと・・・。」
レナ「なによ… なんでそんなに神護の森が好きになっちゃったのかしら・・・。」
ウェスタ「ふう、あぶないわ。もうレナったらうるさいんだから…。さあ、早く神護の森へ行きましょう。」
(ウェスタ、また歩いていく)
◆マーズ(ゴールドスプーンの前)
セリーヌ「…というわけで、悪いとは思うんだけど、わたくしの研究につき合って下さらないかしら?」
レナ「それは構いませんけど…。でも、無理だと思いますよ。新しく、癒しの紋章を作ろうだなんて。」
セリーヌ「そんな事はありませんわよ。紋章術がネーデ人の力を伝えたものである以上、
セリーヌ「同じネーデ人の力である、癒しの力が使えないハズはありませんわ。」
レナ「でも、私にだって、詳しい理屈は分からないのに・・・。」
セリーヌ「だから、研究をするんですのよ。それに、もしも研究が成功すれば、素晴らしい事になりますわよ。」
レナ「そうですね。癒しの力をみんなが使えるようになれば、たくさんの命が救われるようになりますからね。」
セリーヌ「そうして、わたくし達二人の名前は、永く永く語り継がれるようになるんですのよ。
セリーヌ「癒しの紋章術を完成させた、美しくも偉大な紋章術師としてね。」
◆アーリア(ボスマン邸)
(子供たちがアシュトンの周りを回ってからかっている)
男の子「わ〜い。アシュトンのお兄ちゃんだ〜。」
アシュトン「お、おい…コラッ。何してるんだ?」
女の子「ウルルンちゃん、か〜わいい。」
ウルルン「ギュギャギャ〜。」
男の子「なに言ってるんだよ〜。ギョロの方がカッコイイもんね。」
ギョロ「ギャッフ〜ン!」
アシュトン「ち、ちょっと待った。タンマタンマ・・・。」
(家の中に入ってくるレナ)
レナ「やめなさい、あなた達! ギョロやウルルンをいじめたら、ダメって言ったでしょう。」
女の子「いじめてなんか、いないもん。」
男の子「そうだよ。遊んでいただけだよ。」
レナ「アシュトンが困ってるでしょう。やめなさい。ねっ。」
女の子「は〜い。」
男の子「ちぇっ。なんだよ〜。レナお姉ちゃんは、いつもアシュトンお兄ちゃんの事ばっかり・・・。」
(あせるレナ)
レナ「こ、こらっ!」
男の子「わ〜い! レナお姉ちゃんが怒った〜。
(家から出ていく子供たち)
アシュトン「はは…。助かったよ、レナ。」
レナ「大丈夫だった? ゴメンね、アシュトン。」
アシュトン「いや、いいんだよ。あの子達は、僕のことを普通の人と同じように見てくれているって事だからね。」
アシュトン「レナにアーリアの村に来ないかって誘われた時は、正直、不安だったんだよ。
アシュトン「こんなぼくが、みんなと上手に暮らしていけるのかどうかって・・・。」
アシュトン「でも、この村の人たちはみんな、僕の事を特別あつかいしないでくれている。本当に来て良かったよ。」
レナ「アシュトン・・・。」
◆テトラジェネス(オペラ邸)
(窓から外を見つめる二人)
レナ「ねえ、オペラさん。エクスペルやネーデでの事件は本当にあったことなんですよね。」
オペラ「どうしたのよ、いきなり?」
レナ「今になって考えると、あの冒険の旅はまるで夢の中の出来事のように思えてくるんですよ。」
オペラ「確かにね。あれから、ずいぶん時も経ったし・・・。」
オペラ「でも、あの冒険が終わった時、
オペラ「あなたが、私と一緒にテトラジェネスへ行きたいって言ったのには、本当に驚いたわよ。」
レナ「すみません。あの頃は、それがどんなに迷惑な頼みだったかなんて、分からなくて・・・。」
オペラ「そんな事はどうでも良かったんだけどね。レナが来ることは、むしろ大歓迎だったし。」
オペラ「ただ…私と一緒に来るって事は、エクスペルを捨てるって事でしょ。」
オペラ「レナが、後悔するんじゃないかと、不安だったの。」
レナ「ぜんぜん寂しく、なんて言ったらウソになりますけど、後悔はしていませんよ。」
レナ「オペラさんと一緒に来たからこそ、いろいろと不思議なことを見ることが出来たし・・・。」
レナ「たくさんの面白いことを知ることが出来たんですから。」
◆リンガ(大学図書館)
(レナは本を読んでいる。そこへボーマンがやってくる)
ボーマン「どうだ、勉強ははかどっているか?」
レナ「あっ、ボーマンさん。」
ボーマン「声をかけるまで気が付かないなんて、ずいぶんと熱中していたんだな。」
レナ「ええ。見る本、見る本、知らないことがいっぱい書いてあって、読んでてすっごく面白いんです。
レナ「だから。つい・・・。」
ボーマン「ははは・・・ 俺のにらんだ通りだな。レナには学者になれる才能がある。
ボーマン「楽しんで勉強ができるって事は、学者になるために一番重要な素質だからな。」
レナ「そんな立派なものじゃありませんよ。」
ボーマン「いや。レナなら、とびっきりの大学者になれるさ。
ボーマン「なんなら、俺が保証してやってもいいぞ。」
◆クロス(街の広場)
(待ち合わせをしているレナ)
レナ「人を呼び出しておいて遅れるなんて、プリシスらしいわね。」
(プリシスが走ってくる)
プリシス「やっほ〜い、レナ。待った〜っ!?」
レナ「そりゃ待ったわよ。プリシスったら、三時間も遅刻して来るんだもの。」
プリシス「てへへ。ゴメン。」
レナ「それで…いったい今日は、何の用なの?」
プリシス「え〜っとねぇ。レナと一緒に、ナンパってのをやってみようと思ったんだ。」
レナ「ナンパ!?」
プリシス「そうそう。あたし一人でやっても良かったんだけど、二人の方が、ナンパが成功しやすいって聞いたからさ。」
レナ「ちょ、ちょっと、プリシス。ナンパってことは…もしかして、男の人に声をかけるの?」
プリシス「うん、そーだよ。」
レナ「だっ、だっ、だ…ダメよ、プリシス。そんなこと、絶対にダメっ!」
プリシス「え〜っ、何で!? お茶を飲んで話して、楽しく遊ぶだけっしょ?」
レナ「そ…そういう問題じゃないでしょ。」
プリシス「そんなに、ややこしく考えなくても別にいいじゃん。とりあえず、やってみよーよ。」
(プリシス、近くの男の子の方へ)
プリシス「おーいっ。そこの男の子ーっ!」
レナ「ちょっと…プリシスっ!」
◆アーリア
(村の子供と遊ぶレオン。そこへレナが家から現れる)
レナ「レオン、ご飯の時間よ!」
レオン「うん、今行くよ。」
レオン「じゃあ、また後でね。」
女の子「うん。」
ケティル「お昼過ぎたらまた遊ぼうよ。」
(レナに近寄るレオン)
レナ「何して遊んでいたの?」
レオン「えっと、かくれんぼとか鬼ごっことか・・・。」
レナ「そう、楽しかったの?」
レオン「うん!」
レナ「良かったわね。」
レオン「ねえ、レナお姉ちゃん、そんなことより、今日のお昼ご飯は何なの?」
レナ「今日は野菜炒めよ。」
レオン「え〜っ!野菜炒めって、あんまり好きじゃないんだよなぁ・・・。」
レナ「なに言ってるのよ。好き嫌いばっかり言ってると、大きくなれないわよ。」
レオン「は〜い。」
(レオン家へと入る)
レナ「これでいいのよね。レオンくらいの年頃なら、まだまだ遊んでいたいハズなんだから。」
◆アーリア(村長の家の近く) 友:レナ>ディアス
(ディアスはベランダにレナは下から話し掛けている)
レナ「おはよう、ディアス。」
ディアス「ああ、レナか・・・。」
レナ「どう?アーリアでの新しい生活は?」
ディアス「最悪だな。平和すぎて、腕が鈍る。」
ディアス「なにより、ガキ共がやかまし過ぎる…。あいつ等はモンスター共の何倍もタチが悪い。」
(ケティルと女の子がやってくる)
女の子「ディアスお兄ちゃん。あ〜そ〜ぼっ♪」
ケティル「はやく〜。昨日、約束しただろ〜。」
ディアス「分かった、分かった。すぐ行くから、少し待ってろ!」
(ディアス。ベランダから部屋に入る)
女の子「ねえ、レナのお姉ちゃんも、一緒に遊ぶの?」
レナ「そうね。そうしようかな?」
レナ「さすがに、ディアス一人じゃ大変そうだしね。」
◆神護の森 友:レナ<ディアス
(ディアスとレナが赤い花を添えている)
ディアス「しばらく来てやれなくて、すまなかったな・・・。」
レナ「おじさん、おばさん、そしてセシル。本当に久しぶりね。」
ディアス「そろそろ行くか・・・。」
レナ「そうね。急がないと、日が暮れる前に町に着けなくなっちゃうわね。」
ディアス「一ヶ月後に、また来る・・・。」
(ディアス足早に立ち去る)
レナ「ねえ、セシル。私たちのこと、喜んでくれてるわよね・・・。」
(レナも立ち去る)
◆アーリア(小川のほとり)
(二人が川面を眺めている)
レナ「ねえ、エルネストさん。エルネストさんは、本当は旅が恋しいんじゃないんですか?」
エルネスト「どうしたんだ、レナ。やぶから棒に?」
レナ「だってエルネストさんは、こんな平穏な生活に満足が出来る人じゃないでしょ。
レナ「私、知ってるんです。エルネストさんが、時々寂しそうな顔で空を見上げているのを・・・。」
レナ「私だったら、大丈夫ですから。この村で、エルネストさんが帰ってくるのを、ずっと待ってます。」
エルネスト「ありがとう、レナ。けど、オレは、村から出て行くつもりはないよ。」
エルネスト「確かに、この村での生活は退屈かも知れない。
エルネスト「だが、この村には、あらゆる古代の秘宝も色あせる、すばらしい宝が眠っているんだからな。」
エルネスト「レナ お前という宝がな。」
レナ「エルネストさん・・・。」
◆神護の森
(ノエルが動物たちと戯れている。そこにレナ登場)
レナ「やっぱりココだったんですね。」
ノエル「やあ、レナさん。なにか用ですか?」
レナ「『なにか用ですか?』じゃないでしょう!?
レナ「今日は一緒に、クロスまで買い物に行く約束をしてたじゃないですか。」
ノエル「あっ! そういえば、そうでしたっけ。」
レナ「どうせ、そんなことだと思いました。クロスに行く準備は、私の方で終わらせてありますよ。」
(ノエル。レナに近づく)
ノエル「ははは…すみません。」
レナ「まったくもう! 動物のことばっかりじゃなくて、もう少し、私のことも気にかけて下さいよね。」
◆アーリア(レナの部屋)
(二人は机にむかっている)
チサト「…で、ネーデ歴37億14年にあなた達の力によって十賢者たちを退治。
チサト「同時にエナジーネーデの長い歴史に終止符が打たれたのよ。」
レナ「終止符が…打たれた…と。」
レナ「ふう、やっと完成しましたね。」
チサト「そうね。完成させるまで、ひーふーみー・・・ 結構かかったわね。」
レナ「すみません。本当に長い間つき合わせてしまって。」
チサト「別にいいわよ。暇だったし。でも、なんでネーデの歴史なんかを記録しておこうと思ったの?
チサト「ネーデがなくなった今、そんなもの何の意味も持たないでしょうに。」
レナ「いいんですよ、だれも見てくれなくても。
レナ「ただ、ネーデの人達が生きていたことの証を何らかの形で残しておいてあげたかったんです。
レナ「ネーデの存在が無駄じゃなかった事の証明に。」
◆山岳宮殿
(何かを捜しているセリーヌ)
(“紙屑”を手に入れた)
セリーヌ「ふう…どうやらハズレのようですわね。」
セリーヌ「まあ、こういった当たり外れがあるからこそ、トレジャーハントは面白いのですけど・・・。」
セリーヌ「さてと…、もう少しだけ奥に行ってみるとしましょうか。
セリーヌ「もしかしたら、すごいお宝が眠っているかもしれませんからね。」
(セリーヌ更に奥へと進む)
◆クロス(クロス城) +クリスイベント
(セリーヌが外へ行くのを二人の侍女が止めている)
セリーヌ「申し訳ないですけど、そこをどいて下さらない?」
お手伝い「いけません、セリーヌさま。万が一あなた様の身に何かあったら、いかがなさると言うのです!?」
セリーヌ「心配ありませんわよ。そのようなドジは踏みませんから。」
お手伝い「いいえ、なりません。どうしてもと言うのなら、この私めを殺してからにして下さいませ!」
セリーヌ「やれやれ、困りましたわね。」
(奥からクリス登場)
クリス「何を騒いでいるんだ?」
セリーヌ「クリアす!?」
お手伝い「こ・・・これは、クロウザー王様。」
クリス「どうした、何を騒いでいる?」
お手伝い「そ、それが・・・王妃様が、冒険の旅に出たいとおっしゃって・・・。」
クリス「なんだ、こんなことか・・・。」
お手伝い「そんな事とは、どういう事ですか?」
クリス「セリーヌに手を出すような愚か者は、エクスペル広しといえども、誰もいないと思うがな。
クリス「お前らも、セリーヌの強さを知らぬ訳ではあるまい?」
お手伝い「し、しかし・・・。」
(クリス、セリーヌに近寄り)
クリス「行っておいで。ただし…お前には王妃としての務めもあるのだから、秋野収穫際までには帰ってきてくれよ。」
セリーヌ「よろしいんですの?」
クリス「お前には、このクロス城では狭すぎる事くらいは分かっていたさ。
クリス「ただし、必ず無事に帰ってくるんだよ。」
セリーヌ「分かりましたわ。ありがとう。クリス。」
(侍女、道を開けセリーヌ出て行く)
◆クリク(洋服屋:ゴルゴ)
(服を選んでいるセリーヌ。待っているアシュトン)
セリーヌ「ねぇ、アシュトン。先程の服と、どちらが似合うと思います?」
アシュトン「どっちでもいいと思うよ。」
セリーヌ「なんですの、その返事! わたくしの服なんて、どうでもいいと言うんですの!?」
アシュトン「いや、そんなつもりじゃ・・・。」
セリーヌ「だったら、どういうつもりなんですの!?」
アシュトン「えっと、あの… 何て言うか… どちらもすごく似合っているから、
アシュトン「選べないって言うか… その・・・。」
セリーヌ「あら、そう。でしたら、両方買うのが一番ですわね。」
アシュトン「えっ!?」
(セリーヌ、レジへ)
セリーヌ「よろしいですわね、アシュトン♪」
アシュトン「あ…う・・・。」
(アシュトンもレジへ)
アシュトン「トホホ・・・。」
◆マーズ(ゴールドスプーンの前)
オペラ「久しぶりね。」
セリーヌ「そうですわね。本当に、よく来てくれましたわ。」
オペラ「偶然、近くに寄る用事があったからね。ちょっと、あなたの顔でも見ようかなって思ったのよ。」
オペラ「で、どうなの? あれから、いい人とか見つけたの?」
セリーヌ「な、なによ…いきなり・・・。」
セリーヌ「そう言うオペラこそ、どうなんですの?」
オペラ&セリーヌ「はは…あははは・・・。」
(二人ともしょんぼりと)
オペラ&セリーヌ「はぁ・・・。」
◆エル大陸の集落
(ボーマンが住民の傷の具合を見ている)
ボーマン「ふむ。だいぶ良くなってるな。これなら来週には包帯が取れるだろう。」
(セリーヌがやってくる)
セリーヌ「ボーマン、がんばってますわね。」
ボーマン「よう、セリーヌ。そうそう。ここから西に半日ほど行った洞窟に、モンスターが住み着いたんだと。」
セリーヌ「でしたら、さっさと行って退治してきませんこと?」
ボーマン「そうだな。その方がいいだろうな。」
セリーヌ「さすがにこの辺りは、まだ人を襲うモンスターが残っているようですわね。」
ボーマン「おかげでエル王国の復興は、思っていたより手間取りそうだ。」
(憂うつそうなボーマンを見て)
セリーヌ「あらあら。もしかして、奥さんの待つリンガが恋しくなりましたの?」
ボーマン「どうだかな? そんなことよりも、さっさと行くぞ。」
(ボーマン出て行く)
セリーヌ「それでは、行くとしましょうか。」
(セリーヌも後を追う)
◆ラクール(酒場:ラクールオブラクール)
(プリシスとセリーヌの所へ若者二人が話し掛けてくる)
男A「ねえ、彼女ぉ。ヒマ? ヒマだったら、俺達と遊ばない?」
セリーヌ「あらあら、もしかして、それでナンパのつもりですの? 残念ですけど、間に合ってますわよ。」
(若者二人。セリーヌを無視してプリシスにアプローチ)
男B「君って可愛いね。何だったら、お茶だけでもいいんだけどさぁ?」
プリシス「ほえっ!? あたし?」
男A「そうそう。俺たちと一緒に、ぱーっと盛り上がろうぜ。」
プリシス「え〜っ。でもさぁ、セリーヌも一緒でいいの?」
男A「なに!?友達と一緒なの? ラッキー! 俺たちも二人だし、ちょうどいいじゃん。」
男B「で、その友達ってのはどこにいるんだい? 君みたいに可愛いの?」
プリシス「なに言ってんの? さっきから、そこにいるじゃん。」
(若者“?”)
男A「ゲッ! もしかして、このオバンのこと?」
男B「え〜っ! なんで、こんな年増と〜。」
(セリーヌ。激怒)
セリーヌ「さっきから、本当にやかましいわね! さっさとどこかに行かないと、頭をかち割りますわよ!」
(若者。逃走)
セリーヌ「まったく! 最近の男たちは、見る目がありませんわ。なんでプリシスばっかり・・・。」
◆ラクール(レオンの研究所)
(研究をしているレオンのところへセリーヌがやってくる)
レオン「お帰りなさい。それで、新しく刻んだ紋章の調子はどうだった?」
セリーヌ「いい感じですわね。ただ…少しばかり、呪紋の詠唱が長いような気がいたしますわ。」
レオン「ふ〜ん。そうかぁ、まだまだ改良の余地があるなぁ・・・。」
セリーヌ「あ、そうそう。そういえば、ちょっとしたお土産がありますのよ。」
(セリーヌが古文書を取り出す)
セリーヌ「これなんだけど、どうも古代文字で書かれているみたいですの。」
レオン「へえ、何の本だろう? それじゃあ、さっそく解読してみるよ。」
セリーヌ「お願いしますわね。もしかしたら、すごい大発見かも知れないんですからね。」
◆紋章の森(あぜ道)
(ディアスとセリーヌが路なりにいる)
ディアス「いつまで付いてくる気だ?」
セリーヌ「さあ、いつまでかしらね? しいて言うなら、あなたが振り向いてくれるまででしょうね。」
ディアス「勝手にしろ・・・。」
セリーヌ「ええ。勝手にさせていただきますわ。」
(ディアス。さっさと行く。それについてゆくセリーヌ)
◆マーズ(セリーヌの部屋) 友:セリーヌ>エルネスト
(一人たたずむセリーヌ)
セリーヌ「わたくしの思いは、きっと届かないんでしょうね。」
セリーヌ「いつかまた、あなたに合える時が来るのかしら・・・?」
セリーヌ「いいえ。いつか、きっと・・・。」
(エルネストが現れる)
エルネスト「会えるさ。思い続けていれば、いつか、必ず・・・。」
セリーヌ「うそ…ゆめ… じゃないですわよね・・・。」
エルネスト「残念ながら、夢じゃないさ。オレは今、お前の前にこうして立っている。」
セリーヌ「どうして、あなたがここにいるんですの? 自分の星に帰ったハズじゃあ・・・。」
エルネスト「お前の呼びかけが、オレに届いたんだよ。」
セリーヌ「バカ・・・。」
エルネスト「ははは…冗談だよ。」
エルネスト「遅くなって、すまなかったな。」
セリーヌ「そんな事は、もう、どうでもいいんですのよ。
セリーヌ「あなたが今、わたくしの前にいてくれる。ただそれだけで、わたくしは・・・。」
◆惑星ミロキニア 友:セリーヌ<エルネスト
(エルネストとセリーヌ、作業員三人が遺跡を発見する)
セリーヌ「どうやら、この奥が祭壇みたいですわね。」
エルネスト「そうみたいだな。しかし、まさかこんな辺境の惑星に、これほど大規模な遺跡があるとは思わなかったな。」
セリーヌ「それで、どうするんですの? とりあえず、いったん帰って報告しますの?」
エルネスト「おいおい、何を言ってるんだよ。ここまで来て、手ぶらで帰れるわけがないだろう。」
(エルネスト遺跡の奥へ。続いて作業員二人も中へ)
セリーヌ「やれやれ。考古学者なんて大層なことを言ってますけど、
セリーヌ「やっている事は、トレジャーハンターと大差ありませんわね。」
(残った二人も奥へと進む)
◆紋章の森(小屋の前)
(動物たちの戯れるノエルの所へセリーヌがやってくる)
セリーヌ「やっぱり、ここにいたんですのね。」
ノエル「やあ、セリーヌさんですか。」
セリーヌ「『セリーヌさんですか』じゃないですわよ! 今日は、わたくしとのデートの日じゃありませんでした?」
ノエル「あっ! そういえば、そうでしたっけ。」
セリーヌ「待ち合わせの時間になっても、全然来ないんですもの。こんな事だろうと思いましたわ・・・。」
ノエル「はは…すみません、セリーヌさん。」
セリーヌ「まったくもう… 動物の事ばかりでなく、もう少し、わたくしの事も気にかけて貰いたいものですわね。」
◆山岳宮殿
(何かを捜しているチサト。傍らで見ているセリーヌ)
(“紙屑”を手に入れた)
チサト「あまり、めぼしい物はないわね。見つかった物はといえば、役にも立たない紙屑だけ・・・。」
セリーヌ「まあ…たまには、こんな事もありますわよ。」
チサト「でも、あれだけ苦労をしたのよ。もう少しくらいあっても、バチは当たらないと思わない?」
セリーヌ「確かにそうですわね。でも、こういった当たり外れがあるからこそ、トレジャーハントは面白いんですのよ。」
セリーヌ「さあ、もう少しだけ奥に言ってみませんこと? 次こそは、すごいお宝が眠っているかもしれませんわよ。」
(セリーヌ、チサト奥へとゆく)
◆ラスガス山脈
(山道を歩いているアシュトン)
アシュトン「あれから一年か… みんな、どうしているかな?」
アシュトン「短い旅だったけど、たくさんの思い出が出来たよな。」
ギョロ「ギャッフンフン。」
アシュトン「そうだね。またいつか会えるよね。きっと・・・。」
◆ハーリー(エラノールの家) +エラノールイベント
(エラノールの部屋にアシュトンが入ってくる)
エラノール「あっ! アシュトンのお兄ちゃん。わーい。」
アシュトン「久しぶりだね、エラノール。どうだい?あれから、体調が悪くなったりしなかったかい?」
エラノール「うん。平気。ぜーんぶ、アシュトンのお兄ちゃんのおかげだよ。」
(ギョロ、ウルルンが暴れる)
エラノール「あっ、ゴメンね。ギョロとウルルンの二人も、がんばってくれたんだよね。ありがとう、二人とも。」
ギョロ「ギャフー。」 ウルルン「ギャンギャン。」
エラノール「それと、お兄ちゃん。本当にありがとうね。」
アシュトン「信じていれば想いは必ず届くんだな。エラノール、僕もがんばるから、君も精いっぱい生きるんだ。」
エラノール「うん。がんばる。」
◆エル大陸の海岸
(アシュトンがスティング系のモンスターを退治)
アシュトン「ふう。さすがにまだ、この辺りには人を襲うモンスターがずいぶん残っていますね。」
ボーマン「そうだな。エル王国の復興には、思っていたよりも時間がかかりそうだな。」
アシュトン「でも、まあ・・・、これで、この辺りのモンスターは、だいたい退治しましたからね。」
ボーマン「すまんな、アシュトン。お前さんまで、こんな事につき合わせてしまって。」
アシュトン「何を言ってるんですか、水くさいですよ。それに、エル王国には、僕を必要としてくれる人たちがいる。
アシュトン「それだけで、今の僕には十分なんですから。」
ボーマン「そうか・・・。」
◆リンガ(プリシスの家)
(アシュトンをプリシスが追っかけている)
プリシス「なんで逃げるんだよぉ。今度こそ、ぜ〜ったいに大丈夫だってば。」
アシュトン「だって… たしか前に失敗した時にも、そんな事を言ってただろ。」
プリシス「あの時はあの時、今は今! 今度の機械なら、ばっちり・はっきり・くっきり絶対に成功するってば。」
アシュトン「そ…そこまでして、僕たちを元に戻さなくてもいいだろう。」
アシュトン「それに、ギョロやウルルンの事を嫌いじゃないって言ってたじゃんか。」
プリシス「む〜! そりゃ嫌いじゃないよ。でもギョロたちが一緒だと、なにかと不便なこともあるじゃん。」
アシュトン「不便なことって?」
プリシス「う〜っ! 何でもないの!」
プリシス「とにかく、ギョロ達が無事なまま、アシュトンと分かれる事ができれば、ぜんぜん問題ナシのオッケ〜なんでしょ。」
アシュトン「そりゃそうだけど… 痛いのはちょっとな〜。」
プリシス「そのくらい我慢するっ!」
(アシュトン、向こうを見て)
アシュトン「あっ!!」
(プリシスが気を取られているすきにアシュトン逃げ出す)
(それに気づいてプリシス追っかける)
(しかし、あえなくプリシス転ぶ)
プリシス「あ、あいたたた・・・。」
(駆け寄るアシュトン)
アシュトン「大丈夫かい、プリシス? 怪我はないか?」
(プリシス立ち上がる)
プリシス「ん…平気。」
アシュトン「よかった、無事で。プリシスに何かあったら、僕は・・・。」
プリシス「アシュトン・・・。」
ギョロ「ギャフッ?」
プリシス「あ〜、もうっ! いい、ギョロ。こういうときには、気を利かせて目をつぶってるモンなの!」
◆山岳宮殿
(レオンを先頭に通路を歩く二人。アシュトン立ち止まる。)
アシュトン「なあ、レオン、本当に、こんな所に、ぼくとギョロ達を分離する方法があるのかい?」
レオン「なんだよぉ! それじゃあ、せっかくボクが集めた情報が間違ってるって言うの!?」
アシュトン「いや、そうは言ってないけど・・・。」
レオン「間違いないよ。この奥にある宝珠の力を使えば、
レオン「アシュトンのお兄ちゃんと魔竜のどちらを傷つける事もなく、分離できるんだよ。」
アシュトン「でも、本当にそんなことが出来るのかな? どうも信じられないよ。」
レオン「この情報を調べるのに、丸一年もかかったんだよ。そんなにボクのことが信じられないの?」
アシュトン「そ、そんなわけじゃないけど・・・。」
レオン「とにかく、行ってみようよ。宝珠を見つけたら、ハッキリするってば。」
(二人は奥へと進んでいく)
◆リンガの聖地
(ディアスとアシュトンが盗賊を相手に子供を救いだそうとしている)
アシュトン「悪いことは言わないから、大人しく捕まりなよ。少しは罪が軽くなると思うよ。」
ディアス「人質はすでに助け出した。もう、お前らはなにも残ってはいまい・・・。」
山賊「う、うるせえ!」
(山賊が反撃しようとした瞬間、ディアスとアシュトンが見事に撃退)
(子供が安心してアシュトンに近寄ってくる)
アシュトン「さすが、ディアス。相変わらず、力強い剣戟だね。」
ディアス「お前こそな。俺よりも早く剣を振れる奴など、そうはいない。」
アシュトン「でもさぁ。ソーサリーグローブの騒ぎは収まったっていうのに、争い事は全然はなくならないね。」
ディアス「仕方ない、それが現実だからな。もっとも…だからこそ、仕事に困らなくてすむ。」
アシュトン「確かにね。」
アシュトン「さて…この子を町に連れて帰れば、今回の依頼は終了か。」
ディアス「お前が連れて行け。人質を助け出せたのは、お前の手柄だ。」
(ディアスさっさと帰る)
アシュトン「相変わらずだな、ディアスは…まあいいや。またいつか会おうね。」
(ディアス立ち止まり)
ディアス「その時は敵同士かもな・・・。」
(ディアス。去る)
アシュトン「やれやれ。ディアスとは戦いたくないな。そう思うだろ、二人共。」
ギョロ「ギャン。」 ウルルン「ギャフッフ。」
◆紋章の森(小屋の前)
(動物を侍らせているノエルとアシュトン)
アシュトン「いい日差しですね。」
ノエル「そうですねぇ。こんなに暖かいと、何だか眠たくなってきますよ。」
アシュトン「ああ、そうだ。そういえばノエルさん、今月の生活費はどうしましょうか?
アシュトン「お金は、もうほとんど無いんですよね・・・。」
ノエル「う〜ん。そのことについては、とりあえず、後で考えませんか? 僕はもう眠くって・・・。」
アシュトン「そうですね。昼寝の後にしましょうか…。まあそのうち何とかなりますよ。」
アシュトン「あっちに日が当たっていて、眠るにはちょうどいい所をみつけたんですよ。」
アシュトン「今が一番あったかいですよ。さあ、行きましょう。」
ノエル「そうですね。」
(二人とも移動)
◆山岳宮殿
(チサトを先頭に通路を歩く二人。アシュトン立ち止まる。)
アシュトン「本当に、こんな所にあるのかい?」
(チサト、怒りつつ)
チサト「なによ、私の情報が間違ってたとでも言うの?」
アシュトン「いや、そうは言ってないけど・・・。」
チサト「大丈夫よ。きっとこの奥に、あなたの呪いを解く方法があるってば。しかも、ギョロ達も助かる方法がね。」
アシュトン「でも、もう一年近くも探してるんだよ。これだけ探しても見つからないんだから、きっともうダメなんだよ。
チサト「何を弱気になってるのよ。あなたはネガティブに物事を考えすぎるの。
チサト「世の中、もっとポジティブに生きなきゃ。分かった?」
アシュトン「チサトさんみたいに、ポジディブ過ぎるのもどうかと思うけど・・・。」
チサト「何か言った?」
アシュトン「い、いや…何も・・・。」
チサト「とにかく、もう少し奥に行ってみましょうよ。諦めない限り、探し物はいつか見つかるわよ。」
(二人は奥へと進んでいく)
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